眠りを深める、光のバスルーム

まずは「メラトニン」のお話から。

夜、暗くなってくると体内で分泌される「睡眠ホルモン」――それがメラトニンです。
このメラトニンは、暗い場所にいればいるほど分泌されやすいのだそう。

つまり、熟睡したいなら
夜は「メラトニン」がしっかり分泌されるよう、
照明の光を落とした環境づくりが大切です。

とはいえ、夜を真っ暗な状態で過ごすのは現実的ではありません。
そこでおすすめなのが、
「電球色」と呼ばれるオレンジ系の光、
「間接照明」を用いた柔らかく控えめな光
です。

間接照明とは?

「間接照明」とは言葉のまま「間接光」で明るくする照明です。
天井や壁に照明つけてダイレクトに明るくするのではなく、
器具の光を一度、壁や天井に反射させてから空間を照らす方法。
光源が直接目に入らないため、眩しさが抑えられ、
ふんわりとした“光の余韻”を感じられます。

そんな「間接照明」をバスルームに取り入れている
各メーカーのユニットバスを、今回は3つピックアップしてみました。

■ TOTO「シンラ」

正面カウンターの下部に仕込まれた間接照明。
光が低い位置から落ちるため、空間全体の明るさはかなり抑えられます。

調光モードが豊富で、シーンに合わせて雰囲気を変えられるのも魅力。
なかでも就寝前には 画像に赤でマークした「瞑想モード」がおすすめです。
電球色より、さらにオレンジ寄りの暖色の明かりで、
副交感神経を整えてくれそうです。

TOTOのシンラカタログより

■ LIXIL「スパージュ」

スパージュの間接照明は、天井に埋め込まれたライトが
壁面を照らすことで間接光を生み出すスタイル。
光が当たる範囲が広いため、TOTOのシンラの間接照明よりやや明るめです。

LIXILスパージュカタログより

もしより落ち着いた雰囲気にしたい場合は、
壁面の色を暗めにするのがおすすめ。
光を吸収しやすくなり、同じ照明でも
ぐっと落ち着いたトーンに変わります。

LIXILスパージュカタログより

■ パナソニック「ビバス」

「ライトアップロングカウンター」という
カウンター内部に照明を組み込んだデザイン。
アメニティを飾ると、後ろからやさしく光があたり、
まるでホテルのお風呂のような上質感を演出してくれます。

パナソニックさんのサイトの画像です。

実際にショールームで見たとき、
カウンターと照明の境目に凹凸がなく、
フラットに仕上がっていることに感動しました。
お掃除のしやすさも抜群で、
日常使いのしやすさと美しさを両立しています。

ビバスのカウンター。照明とカウンターの間には継ぎ目がありません。

■ 私の自宅では…

残念ながら間接照明機能はありませんが、
代わりにキャンドルを灯して楽しんでいます。
炎のゆらぎには副交感神経を整える作用があり、
まさに“眠りのスイッチ”を入れるひととき。

お湯に包まれながら、やわらかな光だけで過ごす時間は、
日常の緊張をほぐし、心を静かに整えてくれます。

ユニットバスに用いる間接照明は、インテリアとしての美しさだけでなく、
心と体をゆるめる“眠りのデザイン”でもあります。
毎晩のお風呂時間を心身をととのえる時間にできるとよいですね。

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