床・ドア・家具の「木の色」は、揃えなくてもいい。

家づくりを始めたばかりの頃、
様々な住宅展示場で見た木の床やドア、家具の色の合わせ方がどれも少しずつ違って見えて、
「どれを選ぶのが正解なんだろう」と迷う人は多いかと存じます。

オーク、ウォールナット、チェリー、メープル…
どれも素敵だけれど、並べると印象がまったく違う。
しかも照明や光の加減で、色味が変わって見えるからさらに悩ましいですよね。

基本:木の色は増やさない方が、空間は整う

結論から言うと、セオリーとして

木の色はむやみに増やさない方がまとまりやすいです。

理由は3つ。
1つ目は、家具や照明を主役にしやすいこと
床や建具の色の数が多いと視線が散らばってしまい、
素敵なテーブルや照明が埋もれてしまいます。

2つ目は、家具の色の選択肢が広がること
ベースとなる木の色味がひとつに決まっていれば、
テーブルや棚を選ぶ際、また今後の生活で家具を買い足すときも

「合う・合わない」で迷いません。

そして最後は、部屋の印象が整いやすいこと。
木の色を絞ると、空間全体に統一感が生まれるため、
清潔感がある、また洗練された雰囲気にしやすくなります。

とはいえ、混在してもいい理由もある

とはいえ、木は自然素材。
本来ひとつとして同じ色はありませんし、
木そのものも時間が経つにつれ、経年変化で少しずつ表情を変えていく素材です。
だから、違う木や、違う色が混ざっても「間違い」ではありませんし、

案外違和感なく空間に共存することも可能です。

ポイントは、「ブルーベースの木」か「イエローベースの木」かを見分けて、どちらかに統一すること。

これは「パーソナルカラー診断」と同じ考え方。

肌の色によって似合う色があるように、空間にも“似合う木のトーン”があるのです。


ブルーベースはウォ―ルナットやグレイッシュオークなど、落ち着いたトーン。
イエローベースはナチュラルオークやチェリーのように、あたたかくやさしい印象。

このどちらかのグループに寄せるだけで、
濃淡が違っても自然と調和し、統一感のある空間になります。

ブルーベースの床材
※写真はいずれも朝日ウッドテック様のサイトよりお借りしています。
イエローベースの床材
※写真はいずれも朝日ウッドテック様のサイトよりお借りしています。

揃えるより、馴染ませる

夜、スマホで施工例を見ながら、
「うちにはどの色が正解なんだろう」と悩んでしまっていませんか?

でも、木の色には厳密な正解はありません。
暮らしていくうちに、少しずつ変わっていくものだからです。

だから、もっと気楽に選んで大丈夫。

木の色は揃えるより、生活の中で馴染ませていくもの。
時間とともに深みを増し、あなたの家らしい色になっていきます。

ご参考にしていただけると嬉しいです。

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