図面では広く見えるのに、実際は狭い?家具サイズが間取りを左右する理由

間取りの提案を受ける際に、必ず注意していただきたいことがあります。

それは、間取りの中にイメージとして描かれている家具の大きさです。

実際、建築会社から間取りの提案を受ける際に、

家具のサイズにまで気を配れる方は少ないと思います。

なぜなら、間取りを検討し始めたばかりのお施主様は、まず図面を見ることに慣れていないからです。

建築図面は、1/100や1/50の縮尺で描かれていることが多いのですが、

実生活でそんなスケール感でものを見る機会は少ないはずです。

だから、図面から正確なサイズを把握しづらいのです。

また、建築会社との打ち合わせでは、工事が進む順番である

「間取り→設備や内装や照明など→家具やカーテン」という順番で決めるようにお施主様を誘導するため、

家具はどうしても後回しになってしまう傾向にあります。

更には建築会社が描く提案図に描かれている家具は、あくまで「雰囲気を伝えるためのイメージ」。

これが実際は小さく描かれていることが非常に多いのですが、

お施主様としては、図に描いてあるんだからそのまま入ると思い込むのが普通の思考だと思います。

設計士や営業担当の説明でも、間取り・日当たり・収納などは話題になりますが、

家具サイズまで丁寧に触れられることは少ないのが現実です。

そのため、気づけないまま間取りづくりが進行してしまいます。

では、家具の大きさを正しく把握できていないとどんな問題があるのでしょうか?

実際の生活動線が確保できない

図面上では「ゆとりがあるように見える」けれど、

実際に家具を配置すると 通路幅が確保できず、窮屈な空間になります。
特に注意が必要なのは、以下の様な場所です。

・ダイニングテーブルを引いた時の後ろの通行幅

・ダイニングテーブルとソファとの距離

・ソファとテレビ、ソファとリビングの窓との距離
・ベッドサイドと壁との距離

「実際より広く感じる」錯覚に陥る

家具が小さく描かれていると、実際より空間を広く感じる錯覚が生じます。
それにより、
「思っていたような家具が入らない」
「圧迫感を感じる」
「窓やドアが家具に干渉しそう」
といったような想定外のことが起こります。

照明やコンセントの位置がずれる

異なる家具サイズを基準にして配置計画を立ててしまうと
・ベッドのサイズ違いで照明が顔の真上にくる
・家具の背面にコンセントが隠れてしまう
・ペンダントライトがテーブルの位置とずれてしまう
といったことが起こります。

では、対策は?

間取りを作成する段階で、一度家具屋さんに足を運び、
どのような形やサイズの家具がご自身の生活スタイルに合っているのか
ざっくり把握しておくのがよいです。

ソファなら、I型なのか、L型なのか。
ご家族みんなで一緒に使うことがあるか。
だとしたら、同時に何人座れるとよいのか。
ベッドはシングルか、クイーンやキングサイズなのか。
ダイニングテーブルでどんなことをするのか。
お家にお客様を呼びたいかどうか。

なんとなくでもサイズ感を把握しておき、
間取り作成の段階で要望として設計士に伝えてください。

家づくりは、図面の中ではなく、実際の暮らしの中で完成していくもの。
「この家具がここに置けるかな?」と想像しながら見るだけで、
間取りの見え方はぐっとリアルになります。
未来の暮らしを思い浮かべながら、
早い段階で家具のサイズにもぜひ目を向けてみてくださいね。

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