SNSを見れば見るほど、決められなくなる理由

家づくりのことを考えると、ついスマホを開いてしまいますよね。
Instagramには素敵な家があふれていて、
Pinterestではおしゃれな写真が次々に流れてきます。

見ているだけでわくわくして、理想の家に近づいているような気がする。
でも気づけば1時間があっという間に過ぎていて、
結局どんな家にしたいのか分からなくなった―—―そんな経験はありませんか?

実はこれは気のせいではなく、脳のしくみに理由があるのです。

スマホを見るたび、脳が“もっと見たい”スイッチを押している

脳には、うれしいことが起こりそうな予感を感じると、
“ドーパミン”という物質を出して、
「もう少し見てみよう」「次はどんな情報があるんだろう」と
ワクワクを生み出す、そんな仕組みがあります。

このドーパミンは、喜びそのものではなく、
「喜びを求めて動き出すスイッチ」のようなもの。

SNSの写真や動画を見ると、
「素敵」「気になる」と感じるたびに、このスイッチが押されて、
脳は小さな快感を受け取るそうです。

その瞬間は快感を得られるわけですから気持ちがいいのですが、
「次の投稿も見たい」「もっと素敵な例があるかも」と止まらなくなってしまう。
見続けるうちに、脳がずっと刺激を受けて緊張状態になり、
落ち着いて考える力が働きにくくなってしまうのです。

海外の研究でも、SNSを長時間見た人ほど
脳の疲労度が高まり、判断力が下がる傾向があることがわかっています。
つまり、良い情報を探しているつもりが、

SNSを見すぎるほど「考えて選ぶ力」が少しずつ鈍っていくのです。

情報が多いほど、迷いやすくなる

SNSでは、ナチュラル、北欧、ホテルライク、等
あらゆるスタイルのインテリアの画像が流れてきます。
たくさんの選択肢があるほど有利に思えますが、
心理学では「選択肢が多すぎると決められなくなる」と言われているそう。

「こっちも素敵」「あれも真似したい」
そう思ううちに、どれが自分に合うのか分からなくなっていく。
脳が情報を処理しきれず、“選ぶこと”自体に疲れてしまうのです。

他人の家を見て、自分を見失う

SNSの画面から見える家は、それぞれの暮らし・予算・好みがあって完成した“誰かの答え”。
でも、見続けていると、みんながいいと言うもの=「正解」と錯覚してしまいます。

本当は“自分の心が安らぐこと”が一番大切なのに、
“みんなが言いと言っているもの”や“人気のスタイル”、“映えるデザイン”を選びたくなる。
そうやって、少しずつ“自分軸”を見失っていくのです。

だからこそ、スマホを閉じてみよう

もし最近、情報に疲れていると感じたら、
一度SNSを閉じてみませんか。

そしてその代わりに、本屋さんへ行ってみてください。
たくさんのインテリア雑誌の中から、
「なんか惹かれる」「この表紙が好き」と感じる一冊を選びましょう。

そして、前からインテリアが気になっていたカフェに行き

素敵な空間・落ち着く空間に身を置きながら

その雑誌をじっくり読みましょう。
「こんな風に食器を飾ってみたい」「内装の色合いが落ち着く」

「アートの飾り方が参考になるな」、
そんな小さな気づきを積み重ねながら、
自分の“好き”や“したい暮らし”について考える時間を持ってみてください。


検索してあっという間にたどり着けるSNSを使うことは一見時短だし便利です。
けれど、私たちの心の軸はそのペースにはついていけません。

スマホを閉じて、自分の感覚を確かめ信じる時間を持つことが、
あなたらしい家づくりの第一歩です。

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