暮らしの質を変える、コンセントの豆知識
家づくりを進めていくなかで、「コンセント」について深く考えたことはありますか?
多くの方が間取りや家具選びに時間をかける一方で、コンセントは建築工程に合わせてバタバタと決定してしまったり、部屋の四隅に無難に2口コンセントを配置しがちです。
でも実は、このコンセント選びこそが、日々の暮らしの心地よさを左右する大切な要素なのです。
私が常々感じているのは、コンセント等の配線計画は「ただ電源が取れればよい」だけではないということ。
「自分が心地よいと感じる、本質的な快適さ」を求めることが大切です。
余白を生む「USBコンセント」
リモートワークが当たり前になった今、書斎やリビングの一角に設けたワークスペースで過ごす時間が増えた方も多いかと存じます。
そこで目に入るのが、ごちゃごちゃと絡まるケーブルや、場所を取る電源アダプター。
スマートフォンやタブレットの充電器、ワイヤレスイヤホン、デスクライト、ヒーターや電気毛布などなど、充電が必要なものは増え続けています。
そんな時、Type-AとType-Cの両方に対応したUSBコンセントがあれば、電源アダプターなしで直接充電が可能になります。デスク周りがすっきりと整い、視界に入る情報量が減ることで、不思議と心にも余白が生まれるのです。
さらに、グレーやブラックといった落ち着いたカラー、デザイン性のあるプレートを選べば、空間の美しさを損なうこともありません。カフェカウンターのような上質なワークスペースを自宅に再現することも叶います。
「機能」と「美しさ」。この両立こそがワークデスクでの集中力のアップ、更には生産性をもたらします。


安心という、見えない豊かさをもたらす「マグネットコンセント」
家族の安全を守ることも、心地よい暮らしには欠かせない要素です。
マグネットコンセントは、「コードに足を引っかけて転んでしまう」というありがちな危ないシチュエーションに有効なコンセント。先端にマグネット付きアダプターがあり、万が一コードに引っかかっても、ぽろっと外れて転倒を防ぐ設計になっています。
これは、ご高齢のご両親と同居されている方や、将来的に親御様を迎える可能性のある方にとって、大きな安心材料になるでしょう。
「もしも」を想定した選択は、日常の中で意識されることは少ないかもしれません。でも、そこに「配慮」があるということ自体が、暮らしに静かな安心をもたらしてくれるのです。

自由を叶える「フロアコンセント」
広々としたリビングダイニングは憧れですが、広ければ広いほど一方で「コンセントが欲しい場所から壁が遠い」という悩みも生まれます。
ダイニングテーブルで卓上ホットプレートを囲んで夫婦の食事を楽しみたい。リビングのソファでくつろぎながら、手元でスマートフォンを充電したい。そんな時、フロアコンセントがあれば、延長コードを這わせることなく、自由な暮らし方が実現します。


「私の好き」は、小さな選択の積み重ね
コンセントひとつとっても、そこには「どう暮らしたいか」という気持ちで選択すると、
小さなことでも日々の生活を豊かにしてくれます。
トレンドに流されるのではなく、自分の暮らし方に合わせて選ぶこと。それは、「私の感性」を信じる暮らしへの、小さな一歩となります。
新築やリノベーションという人生の大きな転換期だからこそ、こうした細部にまで目を向けてみてください。
