心地よさも循環も。暮らしに寄り添う「一枚板」の魅力

無垢の板をそのままテーブルに使える「一枚板」。
木の素材感や豊かな表情をそのまま楽しめるだけでなく、世界でたったひとつの自分だけの板を選び抜いてテーブルに仕立てることができるのも大きな魅力です。唯一無二の存在だからこそ使えば使うほど愛着が増し、日々の暮らしに満足感を与えてくれます。今回は、そんな一枚板の魅力について少し掘り下げてみたいと思います。

意外と様々なインテリアスタイルに合う

一枚板と聞くと「和風」のイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、モダンな内装やスタイリッシュで無機質な空間との相性もとても良いんです。


木が持つ自然な曲線や節、色の濃淡はシンプルな空間にリズムを生み出し、個性的な表情を加えてくれます。例えば無機質で暗くなりがちなモルタルやコンクリートの空間に一枚板のテーブルを置くと、温かみと存在感が加わり、空間が一気に居心地の良いものに変わります。


「和」の印象のみならず、ナチュラル・ヴィンテージ・インダストリアル・北欧風など、さまざまなスタイルに柔軟に馴染んでくれる点も、トレンド関係なく一枚板が長く愛され続ける理由のひとつです。

無骨でハードなインテリアに馴染む一枚板のテーブル。
※画像はアトリエ木馬様のサイトよりお借りして掲載しております。

資源の有効活用につながる

一枚板は木を大胆に使う為、材質のロスが多く環境にやさしくないのでは?と思われる方もいらっしゃると思いますが、全くそんなことはありません。実は一枚板の天板には、一般的な木材加工では「使い物にならない」とされる部分も多く含まれています。形がいびつであったり、穴が開いていたりする部位は、建材や規格品の家具づくりでは弾かれてしまうのが通常です。

ところが一枚板では、その不規則さこそが魅力となり、個性として生かされます。割れや節があれば補強をしながら、むしろ「一点もの」としての価値を高めることができます。捨てられていたはずの木材を美しく甦らせることは、資源の有効活用そのものです。

半端な材をゴールドの金具で継ぎ合わせた味のあるデザイン。

カーボンニュートラルへの貢献

さらに、一枚板に用いられるのは成熟し年老いた木であることが多いのも特徴です。木は若い頃には二酸化炭素を吸収して酸素を生み出し、地球環境を整える大切な役割を果たします(光合成ですね!)。ところが樹齢を重ねた木はその働きが弱まり、むしろ大きな枝葉が日陰をつくり、若くこれから育つ木の成長を妨げてしまうこともあります。

そのため、年老いた木を伐採して一枚板として利用し、新たに若い木を育てることは、森の健全な循環を促す行為とも言えます。これは結果的に、温室効果ガスである二酸化炭素の削減に寄与し、カーボンニュートラルの実現にもつながるのです。自然を壊すのではなく、次世代へとバトンをつなぐために森から木を「いただく」。そんな考え方も、一枚板の魅力をより深めてくれるのではないでしょうか。

以前お客様と家具屋さんで一枚板を選んだ時の写真。
脚と板の相性を確認しているところ。

世界にひとつだけの出会いを

テーブルはご家族の日常生活の中心にある存在です。食事をし、仕事や勉強をし、家族との時間を紡ぐ場所。だからこそ、一枚板のように「自分だけの一枚」を選び、暮らしの真ん中に据えることは、日常に小さな誇りや豊かさを運んでくれます。

規格品の家具では得られない個性、自然が生み出した二つとない造形。それを愛着を持って使い続けることはとても素敵だし、自然を愛する姿勢にもつながります。

ポップでカラフルなインテリアにもマッチします。

ぜひ、魅力ある一枚板を探してみてください。きっと「これだ」と感じる運命の一枚との出会いが、暮らしをより心地よく、特別なものにしてくれるはずです。

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