「え、これ本当に同じ色!?」塗り壁で起こる“見え方の違い”の正体

写真の左右に並んでいるのは、漆喰(しっくい)壁のための塗板サンプルです。
「どちらが明るく見えますか?」と尋ねると、
ほとんどの人が迷わず「左」と答えるでしょう。
でも──実はこの2枚、同じ色なんです。
家づくりの世界では、
同じ色でも柄や凹凸が変わるだけで、
濃淡すら変わって見えることがあります。
その理由は、
「光の当たり方」と「影の出方」が変わるから。
塗り壁は、職人さんがローラーで仕上材を塗ったり、
コテで模様をつけたり、 吹付けをする仕上げ。
その“柄”の違いで、
塗り壁面が光を受ける向きや、
凹凸によりできる陰影が大きく変わります。
今回の写真で言えば、
左の仕上は平坦で光をたくさん反射しますが、
右は骨材のようなものを吹き付けていて凹凸があり、
比較的陰影が出やすい柄。
だから同じ色でも、
右の方が少し暗く、重たく見えるのです。
「色番号」だけで仕上がりを想像するのは危険。
塗り壁や吹付け仕上げの場合、
カタログにある「色番号」や「品番」で指示することが多いのですが、
それはあくまで
“塗料そのものとしての色”。
実際の仕上がりは、
色 × 質感 × 光 × 影 が組み合わさって
初めて決まります。
だから、小さなチップやカタログ画像だけを見て
「これで大丈夫かな…?」と不安になるのは当然のこと。
そもそも、色の見え方が大きく変わる仕上げだからです。
仕上げ方を検討する際には必ず大きなサンプルを手配してもらい、
自然光のあたる昼・照明の明かりで過ごす夜、
それぞれの見え方を確認するようにしてください。
塗り壁は、色そのものよりも“見え方の環境”で姿が変わる素材です。
だからこそ、最終判断は実物の質感と光の当たり方を確かめることがいちばん確実。
手間はかかりますが、
そのひと手間が後悔のない空間をつくるいちばんの近道になります。
ご参考にしていただけますと嬉しいです。
